だんまりカメラマンとニセアイドルの一冊の写真集


ニセはスタジオ ランランから逃げ出した。

僕もマン(カメラ)を首にさげてニセを追いかけた。

平日の昼下がり、街の人々は外には出ていなかった。

そのため、ニセが騒がれることもなかった。

「あ~、誰もいねぇし、俺に気づかねぇし
 俺はここだー!!星野愛緒はここにいるぞー!!!!」

ニセの今の叫びだ。

ニセにもいろいろたまっているのだ。

何だか、ニセっぽい…愛緒っぽい。

笑えて来た。

マン(カメラ)でパシャと撮ってしまった。

「あ、テメー。だんまりまた無断で撮りやがったな。
 死ね」

親指を地面に向け〔死ね〕の指ポーズ。

下ベロだして、ニセっぽい、愛緒っぽい。

また、撮った。