だんまりカメラマンとニセアイドルの一冊の写真集


「なぁ、笑わないといけないのか?」

ふてくされてやってきたニセ。

「…はい、笑ってください」

冷たく言ってしまった。

「俺、笑わない。
 笑ってたら、いつまで立っても俺は変われない
 これじゃ俺は笑ってなくちゃ俺じゃないみたいだ」

また、ニセのわがままが始まったと僕は思っていた。

「笑ってなくっちゃ星野さんじゃありません」

「…だからイヤなんだよ」

イスをけりやがった。