先輩、チョコもらってください

先輩は、少し顔を伏せてから、瀬上くんの方に目を向ける。

「俺、邪魔だったみたいだな。悪い」

そう言いながら先輩は私に背を向けて屋上から出ていく。

「先輩!」

私は先輩を追いかけようとしたけど、瀬上くんに止められた。

「まだ返事、聞いてないんだけど」

そうだった……。

「ごめんなさい。私、先輩のことが好きだから」