月下の逢瀬

「えっとね、ゲームセンター? みたいなのらしいよ。ミニゲームを幾つも用意するとか言ってたけど」


「ふぅん」


更衣室代わりにしていた茶道室を出る。校内はいつもとは違った雰囲気で、たくさんの生徒が慌ただしく走り回っていた。


「もうすぐ一般客の開場時間だもんね。みんな大変そー」


「早く教室戻らないとね」


あたしたちは慣れない下駄をカタカタと鳴らして走り出した。