『……だって! だって二人が付き合いだしたのは、玲奈が怪我した後じゃない! その前から付き合っていたなんて話、ないもんっ』
二人の背中に、渡辺さんが涙混じりの声で叫んだ。
『そ、そうだよ! 理玖くんが玲奈を怪我させたってこと、水泳部ならみんな知ってるんだよ?』
『理玖くん、今まで玲奈になんて興味なさそうだったし、おかしいじゃん!』
渡辺さんの友達が、後押しするかのように口々に言った。
理玖が足を止めた。
その制服の袖を、玲奈さんが「行こう」というように引く。
『……確かに、理玖が久世をー、なんて聞いたことねーよな』
ぽつり、とそれまで傍観していた男子が呟いた。
『あんなに仲がいい日薙も知らなかったっつーのも、変だよな』
同調する声。
それは教室中にざわざわと広がった。
『もう、行こ? 理玖……』
玲奈さんが泣きそうになりながら、動かない理玖の袖を引く。
背中を向けたままの理玖の表情は分からなかった。
『理玖、どうなんだよ? 違うなら、ちゃんと説明したほうがいいぞ』
日薙くんが、いつになく真面目な口調で言った。
二人の背中に、渡辺さんが涙混じりの声で叫んだ。
『そ、そうだよ! 理玖くんが玲奈を怪我させたってこと、水泳部ならみんな知ってるんだよ?』
『理玖くん、今まで玲奈になんて興味なさそうだったし、おかしいじゃん!』
渡辺さんの友達が、後押しするかのように口々に言った。
理玖が足を止めた。
その制服の袖を、玲奈さんが「行こう」というように引く。
『……確かに、理玖が久世をー、なんて聞いたことねーよな』
ぽつり、とそれまで傍観していた男子が呟いた。
『あんなに仲がいい日薙も知らなかったっつーのも、変だよな』
同調する声。
それは教室中にざわざわと広がった。
『もう、行こ? 理玖……』
玲奈さんが泣きそうになりながら、動かない理玖の袖を引く。
背中を向けたままの理玖の表情は分からなかった。
『理玖、どうなんだよ? 違うなら、ちゃんと説明したほうがいいぞ』
日薙くんが、いつになく真面目な口調で言った。



