月下の逢瀬

玲奈さんは深く、真っ直ぐに理玖を愛している。

憎いだろうあたしに、こうして弱さをさらけ出してまで、理玖を求めている。
理玖だけを見ている。

そのことが、痛いくらい感じとれて。
僅かに残っていた躊躇いを消した。


「……玲奈さん。あたし、言わなければいけないことがあるの」


言わなければいけないこと。
それは。


「あたしのお腹の子供は……理玖の子供なんかじゃないんだ」


「……え?」


弾かれたように、玲奈さんがあたしに顔を向けた。


「理玖の子供じゃ、ないの。
理玖と別れてすぐに生理は来てた。その後に付き合いだした、他の男の人の子供なんだ。

あの時、玲奈さんに文句言われたことが悔しくて、見返してみたくて……」


ごめんなさい、とあたしは床に額がつくくらい頭を下げた。


「最低なことしたと、思ってる。ごめんなさい」


「ホント……に? 嘘でしょ?」


玲奈さんの声には疑いの色がある。
あたしの言ってることを、信じてない。