月下の逢瀬

動揺していたのを結衣に気づかれないように、何ともないかのように聞く。


「いないって、前にコウタが言ってたんだ。何しろ、理玖くんにべったりでしょ。女の子と一緒にいるとこなんて見たことないし。
常に二人でいるから、友達がいなくても平気なんだろうねって話したんだけど、あれは性格に問題があって友達いないのかもね、うん」


結衣は一人納得したかのように頷いた。


「そう、なんだ。気付かなかった」


でも確かに、いつも理玖と一緒だった。


「久世さんたちって中学の頃から付き合ってるんでしょ? その時には友達いたの?」


「え?」


玲奈さんの、友達。
それは、水泳部の子たちや、渡辺さんだったっけ。

でも、彼女たちとは、理玖と付き合いだしたのをきっかけに離れていって。


そして。


「そうだ。三年になる頃には、いなかったんだ。ハブられたりとかはなかったけど」


渡辺さんたちのグループとは絶縁状態だった。だけど、他のグループの子たちとは話したりしていたはず。

だけど、友達っていえる関係の子は、誰もいなかった。