月下の逢瀬

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翌日、寝不足のまま、登校した。
少し寝たものの、気持ちの整理はつかなくて。

昨日に続く青空に、無意味にイライラした。


「おはよう! 椎名ちゃん」


「え……、あ。お、おはよ」


靴箱の前で、ふいに声をかけられた。
明るい声の持ち主を見ると、それはにこにこと笑みを浮かべた玲奈さんだった。

今まで、玲奈さんからこんな風に声をかけられたことはない。

少し緊張しながら挨拶を返した。


「月曜日ってだるいよねー。朝起きるの辛いしー」


す、とあたしの目の前に来た玲奈さんは、可愛らしく笑いながら続ける。


「たまにはさー、一緒にサボらない? 一時間目だけでいいからさ」


「え?」


あたしと?

意味がわからなくて、きょとんとしたあたしに、玲奈さんは呟くように言った。


「話したいことあるんだよね。理玖のこと。

……わかるよね?」


玲奈さんから一瞬、笑みが消えた。
鋭い眼差し。


「……っ」


気付かれた!!

すう、と血の気が引いた。


「一緒に来て」


くるりと踵を返した玲奈さんは、先を歩きだした。