月下の逢瀬

『はいはい。何だよ、母さ……』


『晃貴っ! あんた今まで一体何してたのっ!?』


通話ボタンを押した途端、悲鳴のような声。


『二日酔いで、頭痛いんだよ……。悪いけど静かに話して』


『馬鹿なこと言ってないで! 早く来てっ! 晃平が、晃平が……っ』


ヒステリックな母の声は、涙声だった。
何か起こったのだ、と分かる。


『何? どうしたんだよ?』


あああ、と泣き崩れた声に続いて、父親の酷く落ち着きを欠いた声。


『晃貴か? 今すぐ、うちの病院に来い』