その4
麻衣



私が別荘に着いたのは、夕方4時過ぎだった

すでに”会場”には、大方のメンバーが揃っていた

「麻衣!待ってたよ。私らは昼過ぎには来ててさ。悪いな、先にみんな、遠慮なくやってるよ」

私が別荘の玄関で靴を脱いでいると、久美が駆け寄ってきた

「いいさ、久美。会合までは自由にくつろいでろ。で、能勢さんはいるか?」

「あのさ、今買い出しに行ってくれてるよ」

「そうか。私はシャワー浴びて、しばらく二階にいるからさ。戻ったら来てもらうように言ってくれるか」

「わかった。まあ、とりあえず、みんなに顔を見せてやってくれよ。今、12人来てる」

「馬美は?」

「…、少し前に来たとこ。ロビーでビリヤードやってるわ」

馬美の名前を出すと、久美はちょっと顔がこわばった


...



久美には、みんなを早めに呼んで、リラックスさせておくように含んでおいた

「麻衣さん、ご苦労様です」

「麻衣、今日はよろしく」

「お疲れ。雨、強くなってきて、大変だったでしょ」

リビングに足を運ぶと、旅行気分のメンバーが私をねぎらってる

みんな、明るく元気だわ

今はこれでいい…

「馬美、今日はよろしくな」

私はビリヤードに勤しんでいる馬美に声をかけた

「麻衣、無事に着いてよかったわ。こっちこそよろしく」

ホントによろしくだよ、馬美…

今夜の主役はお前なんだからさ