その2
麻衣



さて、みんなの前では公言しなかったが、週明けからの私らの当面の”敵”だ

無論、南玉新執行部をはじめ、実力者の諸先輩方も除外されない

だがその前に、私らの眼前へしゃしゃり出る連中が必ず現れる

まずは、それと衝突ということになる

言うまでもなく、荒子さんの親衛隊だ

なにしろ、向こうも新入の1年が中心だ

今までは一堂に会す機会がなかったが、奴らも私らを強く意識していることは間違いない

血気盛んな連中が揃っているだろうし、楽しみだなー

フン…、初遭遇となる来週の総集会は、一触即発必至だわ

幹部連中は慌てることだろう

だが、奴らイケイケのコピーどもに、私は様子見などしない

最初から飛ばす!


...



そして…、ここに来て無視できないオンナが、別のもう一人だ

そいつ、実はつい最近になって、私の視界に入ってきたヤツだ

いや、乱入だな、こいつのそれは…

それがまた、私の視界では新参の”部外者”なのに、目立つんだわ

声も体もでかくて…

すでに目ざわり極まりない域だ

んでだ…

伊豆から帰ったら、まずは正面から見据えてくるつもりだ…



...



馬美、サチコ…

あの修羅場を共にした3人とは、”到達点”までは一緒したかった

所詮、”そこ”は私の中では五合目に過ぎないが…

せめて”そこ”までは、あの4人でたどり着きたかったよ

こんな形では離れたくなかった

私の力不足だった

無念だよ、ごめんな…