朝、教室へ入ってすぐに、真実ちゃんは勢いよくスマホを手渡してくれる。
30秒ほどの動画を見ると、動画内で律くんは思いきり転んでいた。
まるでいつぞやの私みたいに。
画面をスクロールしていくと、『律くんの意外な一面!可愛い!』『バスケの腕は人間離れしてるけど、ホントはウチらと同じ高校生ってことを思い出させてくれた動画!』『この試合見に行けなかったの残念すぎるー!』など、様々なコメントを読むたびに段々と青ざめる私と、「あ、これあたしの彼氏!写ってる!」と楽しそうにしている真実ちゃん。
500件以上の拡散数を見て、少し前までの心の平穏はどこかへ行ってしまったみたいだった。
まさか、まさかねと自分に言い聞かせながらその日をどうにか乗り越えたのだけれど、信じたくなかったその出来事は、たった今、目の前で起きてしまったせいで懐疑していたそれらは全部確信に変わった。



