――な、何言っちゃってるんですか律くん!
サラッととんでもないことを笑いながら言う律くんに、言葉よりも先に頭をぶんぶん横に振って全力でソレを拒否する。
「ダ、ダメですよ!律くんに移るなんて、そんなっ!ぜ、絶対にダメです!」
「ハハッ、食い気味にきたね。伊都ちゃんが球技大会の時にやって魅せた、みんなを黙らせるあのスライディング、俺もやってみたいんだけどなあ」
「ぎゃー!わ、忘れてください!」
間違っても律くんに私の不幸体質を移したらダメだ。
私が怪我をしたとしても日常で他人を困らせることはあまりないかもしれないけれど、律くんが怪我をしたとなれば大騒ぎになってしまう。
下手をすればニュースになる。事件だ、事件。
バスケ界の未来を担うと言われている彼の、そんな華やかな道を絶対に崩したくはない。
邪魔だけは、したくないから。



