不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。








「―――伊都ちゃん発見!」


「わっ、え!?」


「さっき部室に伊都ちゃんのお友達ちゃんが来てね、居場所を教えてもらったの」


「り、律くん……!」



悠太くんに言われたとおり、校門の中で迎えを待っていると、うしろから突然声をかけてきたのがまさか今日のMVPプレーヤーに輝いた律くんだったから、私は思わず両肩をグッと跳ね上げて驚いた。





「練習試合、観に来てくれたんだね。それにさっきマネージャーから聞いたんだけど、椅子の片付け手伝ってくれたって。ありがとうね」


「い、いえ!あの、お、お疲れ様でした!試合、すっごくよかったです!ビックリしました!」




心構えのないまま弾む会話にあたふたと、だけど真っ直ぐに私の目を見て話す律くんは本当にどこまでも格好いい。



律くんの素晴らしい活躍は普段から知っていても、それはあくまで雑誌や校内新聞の文字と写真だけの知識だった。


だから今日、ここに来られて本当によかった。