「まずはお風呂掃除と洗濯やっつけないと!」
身体の中から鳴り響く鼓動を掻き消すように、今までに見ないくらいのスピードで1つずつ事を終わらせていく。
夕方までまだ時間はたっぷりあるのに、お昼ごはんだってまだなのに、火照る顔と焦る身体は一刻も早く時計の秒針を動かしたくて大忙しだった。
「お母さん!」
「んー?って、ありゃま。伊都なんでそんなに汗だくなの?」
「あ、あのね。これから……遊びに行っていい?学校に!」
「うん、いいよ?いいけど、今から?遅くなるの?」
「終わりの時間帯は、えっと、何時だったかな」
「……いいよ。俺これから部活の仲間と一緒に自主練行くから、帰り伊都を迎えに行くよ」
「そ、そんな!悠太くんに迷惑かけられないよ!」
「いいって、電車1駅前で降りるだけの違いだし」
部活終わりはきっと疲れているだろうに、迎えなんてとんでもない!心配しなくて大丈夫だよ、と言ったのだけれど、悠太くんは「さっさと支度しなよ」と言って聞き入れてはくれなかった。



