不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。





「り、律くんは最近、よく不幸なことに見舞われませんか!?」


「え、不幸なこと!?ない、ないないそんなこと!」

「いいえ、あるはずです!例えば最近全然ゴールが決まらなかったり、上手くパス回しが出来なくなったり、何もないところで転んだり!」




不幸は移ると言われる。


例えそれが単なる迷信だったとしても、律くんの頑張りを1ミリだって私のそんな不幸体質のせいで台無しにしたくない。




言葉任せに立ち上がって、しっかりと彼の顔を見た。


いくら私の身長が高いと言えど、180センチを超えている律くんには敵わない。



ふわふわの真っ黒な髪質に、少しゆるっとしたヘアスタイル。


脱ぎかけているワイシャツから覗く身体には、しっかりと日々の練習が培われているような、一切無駄のない程よい筋肉がついていた。



家のアルバムにあった、バスケのクラブチームのみんなで撮った写真に写っていた律くんは、誰よりも色白で細身な子だったけれど、今はそのベースを保ちながらもしっかりと選手としてのスタイルになっている。