律くんは言った。
この高校に入学を決めたのは、私がいると思ったから、と。
高校を決めるとき、全国のバスケ部強豪校から声がかかっていたのだけれど、当時のクラブの監督に私の引っ越し先を聞いて、その県内で推薦のあった今の高校へ入学したんだ、って。
伊都ちゃんが引っ越すって聞いたとき、ただ泣いて住所も電話番号も聞かなかったことを何度も後悔してた、と。
最後に、「だからもう正直、半分くらいは神頼み状態だったんだけどね」と付け加えて。
「……引いた?」
「ひ、引くなんてとんでもない!」
「伊都ちゃんにまた会いたいって、その一心だったんだよね」
「……っ!でも、申し訳ないです。あのとき、私は父のことで頭がいっぱいだったから、クラブのみんなにお別れも言わずに去ってしまって。それに、今ではバスケは体育の授業でするくらいのもので、律くんはちゃんと続けてこんなにすごいプレイヤーになっているのに……」
「伊都ちゃんは伊都ちゃんだよ」
「……っ」
「俺の知ってる伊都ちゃん、そのままだよ」



