不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。







真実ちゃんと2人で行うはずの勉強会に、何故か律くんとタケちゃんまで一緒にいるこの状況。



「(集中できない……)」

テスト期間は午後の部活が禁止されているようで、どういうわけだか律くんもタケちゃんも一緒に勉強する流れになってしまい、図書館の一角で一緒に教科書を広げている。





「あの、私少し席を外しますね」


学校の目の前にある、改装したばかりの綺麗で大きな図書館。


お母さんと初めてここへ来たときは、トイレの場所さえ分からなくて、方向音痴な母子ともにトイレを求めて歩き回ったことはいい思い出の1つだ。



この町に引っ越したばかりのころは、古びたお屋敷のような風貌だったこの図書館も、大型改装されてからは利用者もかなり増えたように思う。



引越しをしてからもやっぱり引っ込み思案な自分がいて、なかなか友達を作ることができずに図書館の本を読み漁っていたあのころが懐かしい。