「俺ね、あのとき伊都ちゃんが一緒にいてくれたからバスケ続けてこられたんだよ」
「え?」
「それに、やっとキミを見つけたんだ。もうそう簡単に手放したりしないから」
「それって、どういう……」
「ふふっ、まだ秘密。でも、何かあったら一番に俺を頼ってよ。今度は俺が、伊都ちゃんを守ってあげるから」
律くんは私にそう言い残したあと、「そろそろ教室戻るね」と言って、私の頭の中にたくさんのハテナを残して去って行った。
やっとキミを見つけた?
そう簡単に手放さない?
彼の言葉をいくら噛み砕いてみても、一向に理解できないまま。
だけど未だにこの保健室の中に漂う律くんのにおいが、私を余計にドキドキさせて、鼻血は止まるどころか勢いを増して流れてくるから困った。



