登校してきたたくさんの生徒達の前で転んだ恥ずかしい私に、膝をついて身体を支えてくれたのは……律くんだった。
「り、律くん……っ!」
「おはよう伊都ちゃん。今日も朝から元気だね」
「ちょっ、あの、手」
「んーん、今は動いちゃダメだよ」
「で、でも恥ずかしい……です。この態勢」
完全に律くんの身体に凭れる体勢になってしまっている。
一気に体温が上昇するのが自分でも分かった。
漫画のような非常にカッコ悪い転び方をしたあと、律くんが颯爽と登場したことによって、くつを履き替えていた生徒達はいよいよ足を止めてこちらを凝視する始末。
あまりの恥ずかしさから、助けを求めるように真実ちゃんとタケちゃんのほうを振り向くと、何故か2人ともギョッと青ざめた様子で私を見ていた。
「ど、どうかしました?」
「い、伊都ちゃん、大丈夫だからジッとしててね。あんまり上向かないようにね」
「あの、私……やっぱり鼻が折れてる、とか、そんな状況なのでしょうか?」
だって目の前にいるタケちゃんに至っては、手で口元を抑えて今にも倒れそうになっているし、真美ちゃんは「輸血しなきゃー!」と騒いでいるし、それに何より律くんが私の鼻を抑えているから。
鼻がどうにかなってしまっていることは間違いないと思う。
「大丈夫だよ、伊都ちゃん。ちょっと不運に巻き込まれただけ」
「……」
「保健室の先生が来るまでもう少し、こうやって俺に凭れかかっていてね」



