真実ちゃんと話していたそのとき、突然うしろから大きな声で名前を呼ばれたことに驚いて、思わず円を描くようにツルンッと盛大に転んでしまった。
一瞬にして静まり返るここ、下駄箱。
最悪だ、朝からまたやってしまった。
「ちょっと、タケちゃん!挨拶もナシにいきなりそんな大声で伊都ちゃんのこと呼んだら誰だってビックリするよ!スッ転ぶよ!」
「ご、ごめんなさい南野さん!だ、大丈夫?」
正直に言えば鼻をダイレクトにぶつけてしまって猛烈に痛むけれど、きっとタケちゃんもワザとじゃない。
目尻に浮かんだ涙を拭って、心配をかけないように痛みを堪えて立ちあがろうとした、そのとき。
「――大丈夫なわけないでしょうが。タケちゃんのバカ」
「……!?」



