ダンッ、ダンッとボールを突いている律くんのその音が、無意識に私を急かす。
彼は真っ直ぐに、私を見ていた。
「えっと、私、昔少しだけバスケを教えてもらったことがあって」
「うん」
「でももう今は全然してなくて、えっと」
突然こんな話になるとは思ってもいなくて、変な動揺と焦りが彼のドリブルの音と一緒に相俟って私の鼓動を早める。
何か、何か言わないと。
だけど、何を?どこまで?
「……言いにくいことだったらごめんね、伊都ちゃん。でも1つ確認しておきたいんだけど」
「い、いえ」
「伊都ちゃんのお父さんって―――……」
「……っ」
「バスケの、選手だった……よね?」
「……っ!」



