律くんはいつも私を優先して行動してくれる。
どんなに危ない場面に陥っても必ず救いの手を差し伸べてくれることも然り、今だってきっと遠征疲れが溜まっているであろうときに、私を安心させてくれるために家にまで足を運んできてくれた。
どんな時もしてもらってばかりで、私は律くんのために何もしてあげられていない。
それが時々、もどかしくなる。
「律くん、私も何か律くんのお役に立つことはできますか?」
「アッハハッ!それね、遠征中に考えてたんだよ。伊都ちゃんなら絶対にそう言うだろうなって」
「だって私、いつも律くんにしてもらってばかりで……。してあげられることが見つからないんです」
律くんは笑いながら、「あのね、」と言いながら話を続けた。
今までずっと、伊都ちゃんがいない毎日が続いていてね?
どうすればキミに会えるんだろうって、そんなことばかり思いながらどうにか自力でバスケを続けてきたんだよ、と。
でも今は違う。物理的な距離は離れていても、帰るべきところに帰れば伊都ちゃんに会える。
それだけでどれだけ俺が救われているか、きっと自分自身にしか分からない安心感がすごいんだよ、とも。



