不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。







「伊都ちゃんが全然俺のこと信用してくれないから」


「え!?信用ですか?してます!してますよ!?」


「えー、本当かなぁ?嘘ばっかり。俺がどんなに海外遠征からちゃんと帰ってくるねって言っても、伊都ちゃん全然信じてくれなかったでしょ?」


「……!」


「だからね?伊都ちゃんに信用してもらうために、今まで約束してきたことを1つずつ叶えていこうかなって思ってね」




律くんは一点に私だけを見ていて、視線が合わさるとほほ笑んだ。


「そうじゃないんです」と言い訳を聞いてもらおうと思ったけれど、あのときの私はきっと神様が「律くんは無事に帰ってきますよ」と言ったって100パーセント信じることはできなかったと思うから、口ごもってしまった。


今みたいにこの目で見て、この手で触れてみるまで信用できなかったと思うから。





「ごめんなさい、律くん。私、多分可笑しなくらい心配性で、その」


「――でもこうやって、ちゃんと伊都ちゃんの元に一番に帰ってきたでしょ?」


「……っはい」


「ちょっとは信用してもらえた?」


「ちょっとじゃなくて、たくさん信用しました」