私の部屋に、律くんがいる。
家自体はものすごく古くて、木造のここはきっと見た目もそうよくは映えない。
律くんが1歩、部屋に入って言った感想は「伊都ちゃんらしい、落ち着く部屋だね」だったから、なんだか割り増しで照れてしまう。
「い、今お茶をお持ちしますね!」
「ううん。もう少ししたらご飯ごちそうになるし、気を遣わなくて大丈夫だよ伊都ちゃん。ホラ、座って座って」
先ほど着替えたばかりのダルマウェアを慌てて拾い持ちながら、慌てて押し入れに詰め込んで、律くんと向かい合うように小さな机を挟んで座る。
自分の部屋なはずなのに、どこを見ていればいいのか分からなくなる。
「あ、あの!律くん、今日はどうして我が家へ?」
微かに聞こえる電車のとおる音が、この6畳の部屋に行き渡る。
夏は窓を開けるからもっと鮮明に聞こえるこの電車の音と、冬はすぐ近くの枝に止まっている小鳥たちの鳴き声に負けてしまうこの音はいつ聞いても同じモノのはずなのに、季節によって聞こえ方が違うそれが、私は昔から好きだった。



