不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。






* * * *



「伊都ちゃん、おはよー!それから明けましておめでとう!」


「……」


「伊都ちゃん?」


「あ、真実ちゃん!明けましておめでとうございます!」


「伊都ちゃんがボーッとしてるの珍しいね。何かあった?あたしいつでも相談に乗るよ!あたしも聞いてほしいことがあるし!」


「私は全然大丈夫ですよ。ちょっと寝不足で」


「……そう?ならいいんだけどね!」




昨日律くんに「明日きちんと話そう」と言われてから、いろんなことを頭の中で巡らせているとなかなか寝付けなくて、結局一睡もできないまま学校始まりの朝を迎えて今にいたる。



始業式も終わり、3学期の方針と進路調査についての授業を聞いているときもずっと、どこか上の空で集中できないまま、約束の放課後はやってくる。









「じゃあ、今日のHRは終わりなー。あ、今日の放課後清掃は確か……南野、だな。学期始まりにすまんが、よろしく頼んだ!」


「……はい」