せめて何もないことを伝えようと、震える声を押し殺して『あの、』と切り出したところへ、律くんが颯爽と間に入って私を背中に隠した。
そして加奈子ちゃんたちと向き合うように立ち上がる。
「ごめんね、伊都ちゃん今ちょっと身動きが取れないみたい」
「ぎゃー!もしかして伊都ちゃんまた転んじゃったかー!」
「伊都ー!アンタやっぱ普通に転んでんじゃんー!大丈夫ー?」
顏だけをひょこっと出して安否の確認をしてくれる2人に、照れ臭そうに笑ってみせる。
律くんが上手い具合に躱してくれたおかげで、それ以上特に問われることがないまま話が進んでいくことに、申し訳なさと不甲斐なさでいっぱいになった。
「ハハッ。伊都ちゃんは昔からおっちょこちょいなんだね」
「そうなんです!中学のときからいつもちょっとだけ不幸な子なんです!」
「そっかー。じゃあこれからはちゃんと守ってあげなきゃね。今はとりあえず……伊都ちゃんの幼なじみとして」
「幼なじみ?伊都ちゃんの幼なじみは、白浜くんじゃなくって?」
「――ううん。俺が伊都ちゃんの一番最初の幼なじみだよ」



