不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。











「ところで律くん、今日はお買い物ですか?」


「うん。1月の後半にU-18選手の海外遠征があるからね。今のうちに必要なモノ買い揃えておこうかなって」


「………え?」


「伊都ちゃんは?楽しそうな人たちが集まっていたね」


「海外……、遠征?」


「……伊都ちゃん?」





急に、目の前が真っ暗になった。


だんだんと呼吸が浅くなっていくのが自分でも分かるくらい、変な動悸とめまいが私を襲う。




前向きになった気持ちも、これからのことを考えてワクワクした浮遊感も全部、一瞬にして薙ぎ払われて、私は力なくその場にしゃがみ込むことしかできなくなった。




「伊都ちゃん!?どうした?」


「……っ」





――海外遠征。


それは私の恐怖そのもの。