これから先の関係は、悠太くんに委ねるしかない。
だから私は誠心誠意、今自分の中にある答えを伝えることに専念しようと思う。
本当はずっと、幼なじみでいたいけれど。
これからも変わらず、一番の友達で在りたいけれど。
「――ねぇ、一宮くんって今彼女いるんですかー?」
「いないならあたし、候補にしてください!」
「……!」
そんなとき、誰かのひと際キーの高いそんな声が耳に届いて我に返る。
そうだ、律くんを救出しなくちゃ。
きっと律くんも東京から帰ってきたばかりで疲れているだろうし、何か用事があったからここに来ていたのかもしれない。
「あの、律くん……っ」
すっかり遠く離れてしまった彼に、手を伸ばしながら1歩近付いたとき。
「――まだ彼女、とは呼べないんだけどね。10年以上片想いしてきた子に、今猛烈アタックをかけているところです。だからごめんね」
「……!!」
律くんはそう言ってチラリと私の方を向いて微笑んだから、何かあるのかと怪訝な表情で見てくる同級生たちから隠れるように、慌てて律くんの腕を引いて目立たない裏路地に入った。



