不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。










「伊都ちゃん」



静かに、律くんは私の名前を呼ぶ。


振り向いた先に立っていた彼は、左手首につけていたリストバンドを正しい位置に直しながら、俯き加減に言った。「1番最初に渡してあげるから、待っててね」と。




今の律くんに、少し前までの弱々しさは微塵もない。