不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。








「ねえ、伊都ちゃん」


「は、はい!」


「俺ね、南野選手と交わした約束が1つあるんだけど」


「私のお父さんと、ですか?」


「うん。その約束が俺の本当の将来の夢なんだけどね。それ、是が非でも叶えるためにめちゃくちゃ頑張るからさ」


「?」


「だから今からいろんな段階をスッ飛ばして――……もっと伊都ちゃんを感じさせて」


「へ!?……ん!!」







律くんがそう言った瞬間、彼の甘い香りがより濃く鼻をかすめた。


そしておでこに感じた、熱く、やわらかい感触と、チュッと鳴ったリップ音が私の全てを停止させる。