不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。









「骨は折れてないみたいだね。ただかなり腫れると思うから取り敢えずは湿布を貼っておくね。試合はベンチの選手と変われるようならそうして」


「ほ、骨折れてなくてよかったです先輩」


「ハハッ、だな」


「でも試合が終わり次第、すぐに病院に行くこと。いいね?」


「分かりました。……つーことで南野ちゃん、あとは俺1人で平気だからさ。やっぱり一宮のところに行ってあげなよ」


「い、いえ!私はいなくても大丈夫だと思うので、」


「ううん。絶対大丈夫じゃないヤツが1名いるはずだからさ」







――違うんです、達哉先輩。


確かに律くんは私にとても優しくて接してくれて、いろんな面で助けてくれました。




でもそれは私が昔の幼なじみだから。




私がバスケ部のマネージャーを引き受けたとき、律くんは夕夏さんに「これで夕夏の負担も減るでしょ」となだめるように言っていた。


当時は何も思わなかったけれど、今なら分かる。

律くんは夕夏さんにかかり過ぎた負担を少しでも軽減するために、率先して新しいマネージャー探しをしていたのだということを。