不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。









「……え?」




コートの中央で、突然バタッと倒れたのは真実ちゃんの彼氏である達哉先輩だった。


監督やコーチ、それに私たちも慌てて達哉先輩に駆け寄って具合を確かめる。





「おい、どうした!」


「すみません……っ。相手選手にぶつかった拍子に足捻りました」


「医務室へ連れて行きますね」


「南野、行けるか?」


「はい、大丈夫です」




第2クオーターが終わった今、これから約20分間のハーフタイムに入る。


きっと選手交代のミーティングをしなければならないだろうし、みんなを休ませてあげなければならない。

1番経験の浅い私が席を外しても特に困ることはない。



それに今、最も疲弊している律くんのことを癒すことができるのは……夕夏さんだけだと思うから。







「達哉先輩、歩けますか?車椅子持ってきますか?」


「いや、多分大丈夫。ごめんねー南野ちゃん。でもさ、南野ちゃんはここに残って一宮の傍に居てあげた方がいいんじゃない?」


「え?い、いえ……」