不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。









律くんからのお願いを引き受けたあと、真実ちゃんにその旨を伝えると「じゃああたしも当日早く行って手伝うよ!」と言ってくれていたのだけれど、まさか本当に準備の段階から来てくれるとは思ってもみなかったから、目を丸くして驚いた。


バスの中に詰め込まれた選手たちの大量の荷物をせっせと運び出してくれる彼女の姿を見て、本当にいい友達を持てたとしみじみ思う。





真実ちゃんは中学生のころから自らバスケ部に所属していて、大のバスケファンだとも言っていた。


今付き合っている1年上の先輩のことを当時からずっと応援していたらしく、同じ高校に入学したと知った時に運命を感じて告白したのだとか。






「わー!あたしもう緊張してきたー!」


「本当ですね、ドキドキします」


「あたしの彼氏!あ、達哉くんって言うんだけどね?今日はスターター選手らしいから、しっかり応援しなきゃねー!」


「……真実ちゃん?バスケ部って恋愛禁止なんじゃ、」


「えー?そんな決まりないと思うよ?あたしみんなに言ってるし、達哉くんのSNSにも彼女いますって書いてくれてるし」