悠太くんはそのあともいつも通りの声色で、いつも通りの接し方で「またな」と言って私が玄関を開けるまで見届けてくれた。
ガチャンッと扉の閉まる音と同時に、身体中の力がドッと抜けたようにヘナヘナと座り込む。
12月の寒さの中、おかしいくらいに顔が熱い。
「……」
昔から臆病で、引込み思案で、言いたいことがなかなか言えない性格が足枷になっていて、きっと何度も損をしてきたと思う。
このままじゃダメだって思うのに、変わらなくちゃって決意するのに、結果何も功を成し得なかった私は周りの変化についていけないでいる。
律くんのことも、夕夏さんのことも、あと1歩踏み込めば何か変わっていたかもしれないのに、それをしなかった私の中にはずっと煮え切らない中途半端な想いだけが積み重なっている。
「あらら、おかえり伊都」
「お母さんっ」
「どしたー?そんなところに座って。ホラご飯食べよ!あ、マネージャーの仕事どうだった?」
「……うんっ、」
「んんん!?伊都!?どしたのー?」



