不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。









夕夏さんはそう言って、強引にそれを私に持たせてからスコア表と睨み合った。


ズッシリと重たい紙袋の中を覗くと、律くんがあのとき選んでくれたモノたちが1つずつ丁寧に梱包されて入っている。




だけど、これらを使うことはできない。


いくら律くんからのいただきモノでも、夕夏さんの許可が下りたとしても、身に着ける私がきっと……ダメになってしまうから。



声を張ってアドバイスを投げかける夕夏さんのとなりで、私はその紙袋を持ったまま俯いた。









結局、今日1日の試合総数の中で、聖央高校に勝ち越すことはできなかった。


朝、瀬戸先輩が言っていた”怪我をして今まで試合に出られなかったとある選手”こそがまさに瑠衣くんだってことは、誰に聞かなくてもすぐに分かった。