不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。









2人とも手の内を全て知っていると言わんばかりに、攻守ともに均衡を保っていて中々ゴールが決まらない時間が過ぎて行く。



手に汗握る戦いに釘づけになっていると、突然横から夕夏さんがスッと紙袋を差し出してきたから、無意識にビクッと肩を上げて驚いてしまった。






「これ、律から」


「え?」


「マネージャー引き受けてもらいたいからって奮発したんだって。ジャージにストップウォッチ、ご丁寧にリストバンドに笛まで買ったみたいだから貰ってあげなよ」


「で、でも」


「心配しなくても、律から買ってもらったモノを南野さんが身に着けてたくらいであたしは嫉妬なんてしないから」