不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。







それから第3体育館の雑務を終えて、私がメインコートに戻ってくるころには律くんや瑠衣くんたちの試合は大いに白熱していた。


戦績表を見ると、お互いに勝ったり負けたりを繰り返していてギリギリの試合をしている。




けれど、今のゲームから3試合連続で私たち章栄高校に黒星が付いていたから、私は慌てて振り返ってコートの中にいる律くんを探すと、彼はどこか苦しそうに汗を拭って、自由に身動きが取れないことにもどかしさを感じているようだった。


その原因は他でもない、瑠衣くんによる徹底的なマークのせいだということは、流れるように進んで行く試合をひと目見ただけで理解した。







「おいおい律―、お前ちょっと見ないうちに衰えたんじゃねえの?」


「瑠衣こそ、その粘着質なマークの仕方が売りにしては貧相なんじゃない?」


「ハッ!ほざいてろ!」


「足、また怪我しないように気を付けなね」