「……っ」
だけど気付いたときには遅かった。
私と離ればなれになってから10年という長い年月の間に、彼はいつも傍にいてくれる幼なじみを見つけて、そしてその人を彼女というポジションに置いた。
お互いに名前で呼び合って、手をつなぐことに何の抵抗も感じないのは2人でいることに慣れている証。
律くんとの唯一の関わりがあった幼いころの記憶でさえ、ずっと思い出せないまま。
私が入り込む隙間なんて、もう今更1ミリもないんだ。
「……戻らなきゃ」
だったら、最初からこの気持ちに気付かなければよかった。
純粋に律くんのバスケを応援していたあのころの方が何倍も楽しかった。
今の私は、好きじゃない。
こんなふうに落ち込んで、暗くなるだけの自分は嫌い。
だから一刻も早くこの悶々とした気持ちを整理したいと思うのに、次にどう行動すればいいのか分からなくて。
初めて味わうこの感情に振り落とされないように、私は必死にしがみ付きながら紐解いていくしか方法がなかった。



