不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。











同じクラスの友達同士で流行っていた少女漫画を貸してもらったとき、中々自分の気持ちを言い出せずに空回りするヒロインを見て、『ここで素直な気持ちを言ってサクッと問題解決しましょう!』と何度も背中を押して応援していたことがある。



だけど実際に自分が同じような境遇に立たされると、サクッと解決だなんてほど遠い、声をかけることすらままならない。





『律くんの、もう1つの大切なモノってなんですか?』


『夕夏さんとはどういう関係ですか?』


『最後に言おうとした言葉を、教えてください』









――怖いんだ、私。

夕夏さんの名前を出されることが。




そうか、私。

律くんのことが――……好きなんだ。