不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。











「瑠衣に認めてもらうには、今回の大会で勝って示す以外の方法がもうない」


「……」


「だから伊都ちゃん。俺はキミに―――」






「――律!」

最後の言葉が聞けないまま、それをさえぎって割って入ったのは夕夏さん。



彼女は「何やってるの!?もうみんな集合してるでしょ!?」と言って、律くんの腕を強引に引きながら連れ戻す。




「夕夏、ちょっと待って」


「あとにして!」







意図的ではないとしても2人の繋がれた手を見て、私はまた言葉を飲み込んだ。


話の続きを聞かせてほしいです、とは言い出せなかった。


ううん、きっと『待って』と言って引き留めることすらできなかった。