いつもの声のトーンよりグッと低い律くんのひと言に、違和感を覚えて顔を上げると、その表情は笑っているようで笑っていなかった。
2人は知り合いなのかお互いに下の名前で呼び合ってはいるものの、この険悪なムードの中、とてもじゃないけれどお友達ですかとは聞けない。
ピリッとした空気は濃くなる一方で、このままじゃいけないと踏んだ私は頭をフル回転させて必死に話題を探し求めた。
「き、今日はとってもいい天気ですね!」
「そうだね、伊都ちゃん」
「あぁ、試合日和って感じだわ」
「し、試合日和……ですか」
世界各国共通で使えるはずのお天気ネタも、まさか試合に結び付けられるとは思ってもいなくてそれ以上の言葉が続かない。
加えて大きな背丈の2人の間に挟まれていることが余計に私を委縮させた。



