「で、どっち?知ってる?知らない?」
「あ、あの」
「ん?なに?モゾモゾ言ってても聞こえねえよ」
「えっと、その、私が……その」
「聞こえねえ」
「ぐ、偶然ながら私も南野伊都という名前なのですがもしかしたら同一人物なのでしょうか!!」
「当たり前だわ。“伊都”なんて名前滅多に見ねえよ」
「そ、そうですか……」
「へえ。アンタが南野伊都、ねぇ」
私が私だと分かった瞬間、少し前までの目つきとは一転してギロリと睨まれる。
何かした覚えはないし、出会ったことすらないはずなのに、どうしてこんなにも見られているのかまるで不思議で堪らない。
何がキッカケで私を知ったのか、その答えを聞き出そうと声をかけるタイミングを今か今かと見計らっていた、その矢先。



