真っ暗な部屋は、余計にいろんなことを思い出させてしまうからダメになる。
明日からウィンターカップが終わるまでの間、毎日律くんと夕夏さんと顔を合わせなくちゃならない。
頑張るって、決めたんだ。
律くんを、チームのみんなを最後まで応援するって……決めたから。
だから悲しんで、落ち込むのは今日だけにしよう。
そう言い聞かせて無理やり顔を上げて、溢れ出てきそうになる何かを必死に閉じ込めたそのとき、コンコンッと部屋をノックする音に私の両肩がビクッと飛び跳ねた。
「――伊都?俺だけど」
「は、悠太くん!?」
「入るぞ」
「え、ちょっ、ちょっと待って!」
「すまん、もう遅い」
きっと今、私は誰にも見せることができないくらい酷い有り様だ。
それでも構うことなく平気でドアを開けた悠太くんに、私は一心に顔を背けて布団の中に潜り込んでどうにか阻止した。
部屋に差し込む廊下の光が、眩しかった。
こんな姿は見られたくないけれど、頑なに閉めきったこの部屋の扉を悠太くんが開けてくれたことによって、気持ちが少しだけ晴れたような……気がする。
そう前向きに考えようとしても、気を緩めるとまたすぐに、塞いでしまう。



