「殿下! 発言をお許しください」

「畏まらなくて良い、何があった?」

 平民のサムである。勇気を出してジェフェリーに事の成り行きを話し出した。

 セリーナと仲良くしている平民の生徒が、ジェフェリーに話しかける時には発言の許可を取る。悔しいが? しっかりしている生徒だと思わざるを得ない。が。セリーナと仲良くしているという点での嫉妬は大いに有る。


「ジェフェリー様! この男はセリーナ様の手下です! 私情を挟んでいるかも知れません! 私が平民だから味方なんて誰もいないんです……うっうっ。ジェフェリー様は信じてくれますよね」


「殿下、ここではなんですから、後で話を聞くことにしましょうか?」


 側近の一人が言った。


「そうだな。セリーナ後で話を聞かせて欲しい」


 無表情でセリーナを見るが、今すぐにでも話を聞きたいという心配も含めるような口調だった。