「セリーナ様、おはようございます」

 こちらから声をかけてみる。そうするとようやく私に気がついたみたい! 全く失礼よね。


「ジュリアナ様、おはようございます。まぁ! 素敵な髪飾りですこと」


 お目が高いのね、この髪飾りの価値に気がついただなんて! 


「これですか? 大した物ではないのですよ」


 ふふっ。お父様が西の国から仕入れた最高級品のエメラルドを使っているのよ! 素晴らしい物なんだから!


「まぁ。ご謙遜を。普段使いされるにはとてもいい品だと思いますわよ。私も、」


「え! これが普段使いですって?」

 はぁ? 見る目なしじゃないのよっ! 失礼なお人形さんね!


「え? えぇ。本物を普段使いにするわけにはいけませんでしょう? これほどのものですと、王族が所有をしていてもおかしくない代物で、」


()()()()だと言いたいの?」


「え? 違いますの? ですが輝きすぎていて、」


「酷いわ。私を貶めるつもりなのね……お貴族様だからって、平民の私がいい物を使っているのが気に食わないのね!」


「間違いでしたら訂正してお詫び申し上げますけれど……」