「泣きたくもなるよ。こんな自分嫌いだ。ずっとセリーナが好きだったのに告白もできないで政略結婚だと思われていたなんて」



「殿下……せめて顔をあげて言ってくだされば良いのに」


「セリーナが可愛くて直視できない! セリーナの顔を見て告白なんてできないんだよ。コレが限界なんだ……」


 床に座りながら膝で顔を隠したままなんて……。


「殿下、私は、」


 何が言いたいのでしょうか……。殿下が私のことを好きだなんて、信じられませんもの。


「セリーナが信じてくれるまで待つ。セリーナが少しでも私のことを好きになってくれる様に努力する。これまでセリーナにいいたかった事も隠さずに言う」

 ばっと顔を上げる殿下……鼻が少し赤くなり、ピンクの髪の毛が少し目にかかっていますがしっかりと目線を合わせてくださいました。


「……はい」


「好き、なんだ」


「……私は」


「今すぐに返事はいらない。誤解を解くことから始めたい」


 そう言って殿下はすまなかったと私に謝られました。


 床に座る殿下に手を貸してソファに座りました。横並びに座ると顔が見られませんでしょう?

 しばらく無言でしたけどね。

 その後、殿下宛に王宮から手紙が届いて、すぐに出発しなくてはならなくなりましたので、この場から解放されました。



 殿下は名残惜しい様でしたが、私は頭が混乱していたので、良いタイミングだと思いました。