コンコンコンと軽くノックをしますと、ガチャっと扉が開けられました。


「お待ちしておりました。セリーナ嬢! さぁ殿下がお待ちです。こちらへどうぞ」


 殿下の側近の方ですわね。何度かお会いしたことがありますわ。それにしても学園にも殿下の執務室があっただなんて……知りませんでしたわ。


 学園でも執務をこなしていらっしゃるのですね。真面目な方ですもの大変ですわね。




「お待たせいたしました」

「う、うむ。まぁ掛けるがいい」

「はい、失礼いたしますわ」


 触り心地が良さそうなソファに腰をかけました。フワフワなのに硬さもしっかりあって見た目通り触り心地が良いですわね。


「どうぞ」


 殿下の側近の一人の方がお茶を出してくださいました。


「ありがとうございます」


 殿下がお茶を口にしたので、私もお茶で喉を潤しました。

 このカップとても素敵ですわね。殿下御用達の工房の新作かしら? 
 お茶は桃でしょうか。とてもいい香りがしますね。