「セリーナお嬢様、殿下からお手紙です」

 トレーに載せた手紙を侍女が持って来ました。

「まぁ、殿下から? 珍しいですわね」


 封筒を確認すると、確かに私の名前が書いてありますし、差出人も殿下の名前ですわね。確認後封を開けました。



【セリーナ、今までの誤解を解きたい。一緒に過ごす時間が欲しい。なるべく早く。返事を待っている】



 誤解を解く? よく分かりませんが、返事をお待ちしていると言う事です。それならばと筆を取りました。



【ジェフェリー殿下、それでは明日の放課後は如何でしょうか? 場所の指定をくださればそちらに向かいます】

 婚約解消の話もしなくてはなりませんもの。そろそろ自由にして差し上げましょう。私は殿下の足枷にはなりたくありませんもの。お父様も解決すると言っていましたから、殿下からのお言葉があるのかもしれません。


 するとすぐに殿下から返事が来ました。



【明日の放課後学園の私の執務室へ来て欲しい。セリーナが来るのを待っているよ】