「お父様、教会への寄付に行ってまいりましたわ」

 ジュリアナの父が営なむフロス商会へ顔を出し、教会へ寄付してきた事を報告した。


「おぉ、ご苦労様。お茶を用意するから一緒にどうだ?」

「はい。お相手しますわ」

 そう言ってソファに座った。


 下働きのメイドがお茶の準備する。かちゃかちゃと音を立てて……はぁ。ジェフェリー様の側近の方とは大違いね。優雅さに欠けるわ。もっとマシな給仕はいないのかしら。そう思いながらお茶を口に入れた。

 うーん。少し煮出しすぎ? 茶葉のせい? 苦味が残る。うちで出すお茶をお父様がケチるわけないわよね? 殿下のサロンで飲んだお茶は美味しかったわ。まぁこの茶器は豪華で良いけどね。カップに金の装飾をしてあり持ち手も凝った作りになっている。ジェフェリー様のサロンで出された一番初めの茶器はとっても可愛くて特別感があったのに、二回目は至って普通……と言うか初めの時の気遣いがもう少し欲しかったわね。